目指せ!日本一楽しいゴミ拾い!海さくら - 江の島 ごみ拾い ボランティア

目指せ!日本一楽しいゴミ拾い!

海さくら|江の島 ビーチクリーン ボランティア ゴミ拾い

江の島スペシャル対談 vol.01

かながわ美化財団 高辻さん × 海さくら

かながわ美化財団 高辻さん

江の島のゴミの現状やいつまでもキレイな江の島を実現し、次の世代に守り伝えていくにはどうすればよいのかなどについて、海岸を守るエキスパートと海さくら 代表 古澤のちょっとマジメな対談です。

第1回は「かながわ海岸美化財団」の高辻さん(以下、敬称略)と対談しました。(2007年対談)

かながわ海岸美化財団
相模湾の美しい海岸を守るため、日夜活動を行っている財団法人。海岸清掃事業のほか、ビーチクリーンアップ等の啓発イベントの開催、ボランティア団体等への支援事業も行っている。
URL: http://bikazaidan.main.jp/

川から流れ着くゴミが全体の7割

─ これを読んでいる方に、まずは江の島のゴミの実態を知ってもらおうと思います。一般的に、江の島の海岸に落ちているゴミというのは、主にどのようなものがあるんですか。
高辻 : 江の島に流れ着くゴミは、川から流れ着くゴミが大半で、全体の7割を占めます。雨が降ったときなどは、枯れたヨシやアシ、それに生活ゴミが川から流れ着きます。江の島の地形上、突起物のようになっているので、自然に流れ着くのです。
古澤 : この間ゴミ拾いをしたら、注射器が落ちていました。あれは危険で悲しいですね。どうして落ちているんですか。
高辻 : これですね…(と、注射器の入ったビンを持ち出す)。実は、僕たちも出所がはっきり分かっていないのが現状です。交番に行って鑑定を依頼したりもしています。

クジラやウミガメも!?

古澤 : 僕たちがゴミ拾いをしている時に、ミドリガメや犬など、動物の死骸なんかもたまに見かけます。こういう動物の類は増えているんですか。
高辻 : 漂着生物の数に関しては、最近目立って増えたというのは感じません。最近の変化としては、意外なんですが、海草の漂着が増えています。これには工場排水の適正な処理や下水道の普及によって、河川の水質が良くなっているのが一因ではないか、といわれています。
古澤 : 川の水質は良くなっているみたいですね。ただ、初めて犬の死骸を見たときは、気持ちが悪くって、情けないのですが、触れずに放置してしまいました。後でとても反省したのですが、もし見つけたら今後、どうすればいいですか?
高辻 : 基本的には、財団に連絡してもらうのがいちばん適切です。鯉や渡り鳥が大量に打ち上げられることもあるのですが、病気持ちの場合もありますので、そのときは焼却処分をします。時にはクジラが打ち上げられることもあります。あとはウミガメなんかも。ウミガメは、なぜか毎年6月の満月の晩に、多いときで20体くらい出るんですよ。

日々の生活が海につながっている

─ 全体としてのゴミの総量は減っているんですか?
高辻 : ゴミの総量は減っているとはいえません。むしろ増えています。大量生産・大量消費の時代に、日々の生活の中でゴミを減らす努力をしなければ、ゴミは増えていく一方ですよね。でも普通に生活していると、ゴミの減量ということを意識する場面は少ない。それが一因だろうと思います。先ほども言ったように、川から流れ着くゴミが全体の7割を占めるのです。それをいかに減らすかが課題ですね。
古澤 : 川から海にたどり着くゴミが大半、と頭では理解しても、実生活から海のことをイメージすることは難しい。徐々に解ってもらう必要があると思います。「海さくら」としては、「海と触れ合い楽しんでもらうこと、海で遊んでもらうこと」が重要と考えています。
高辻 : 日常生活の中で生じるゴミを少なくしなければならない。でもやっぱり、聞いただけではピンときませんよね。そこで財団では、パネルを使ったり、実際に拾ったゴミを展示したり、美化啓発の屋内イベントも、年に数回行って、啓発活動に努めています。

海から川へ、ボランティア間の連携を

─ 海岸をキレイにする、という行為に対して、各種ボランティア団体、行政、地元住民、観光客など、いろんなプレーヤーが関わっています。
高辻 : 神奈川県内には、のべ500件、13万人以上のボランティアが活動しています。そして、そのボランティア団体が一堂に会し交流する場を、財団では定期的に設けています。そこから、横のつながりが生まれる可能性があります。肌の合いそうな団体同士が自主的につながり、協力し合ってくれたらいいな、と思っています。・・・ただ台風など非常事態には、うちの清掃だけでは手が足りないので、協力してほしいですね。
古澤 : 「海さくら」も、台風の時には「緊急ゴミ拾い隊」を結成して協力したいと思っています。
高辻 : 海岸の清掃ボランティアは、財団を拠点として横につながっていけるのですが、これからは川の上流域に「逆Tの字」型に進出していけるかが課題ですね。川沿いで活動している団体には財団のような母体がないと思うので、横の連携が図りにくいところがあります。
古澤 : 美化財団さんのおかげで、いろんな情報を得ることができるし、ほかの団体ともコンタクトを取れる。今のお話を聞いて、僕たちは、とっても恵まれていると感じました。
高辻 : 海さくらさんが活動している西浦というポイントは、ほかのボランティアの方とあまりカブらないんですよ。なので、逆に僕たちも、「海さくら」さんには本当に感謝しています。江の島の美化にとても貢献していますよ。

海岸で触れ合うことが大切

─ 海の環境やゴミのことに関心をもってもらうために、心がけていることは何ですか。
高辻 : 実際に海岸に連れていって、現状を知ってもらうということですね。私たちもよく小学校や中学校に行って授業をしますが、パネルや話だけでは人のマインドに深く刻まれません。海岸に出て海岸清掃をやってから授業をすると、反応が違うんですよ。マヨネーズの空のボトルやキムチの容器などを拾うことで、海岸に生活ゴミが流れ着いてるんだな、と実感できるんですね。まずは、ありのままの状態を見てほしい。その上で、ちょっとでも海に関心を持ってもらい、日々の生活につなげていければ、と思っています。
─ 最後に、今後の海さくらに期待することがあればお願いします。
高辻 : 継続は力なり、ですね。みなさん本業が別にあって大変だと思いますが、海に対する熱い想いを持って、細く長く継続してほしいです。実は、昨年に「海さくら」さんがコンサートを開催して以来、音楽イベントと海岸清掃のコラボ的な話が増えているんですよ。海さくらさんには、これからも“元祖”として活動を継続してもらいたいですね。
目指せ!日本一楽しいゴミ拾い!

NPO法人 海さくら

神奈川県の江の島で2005年から「目指せ!日本一楽しいゴミ拾い!」をモットーに 年間ビーチクリーンを行い清掃活動にイノベーションを起こしてきたゴミ拾い団体。江の島に「かつて生息していたタツノオトシゴが戻ってくるくらいキレイにする」という目標をかかげ、体験・体感を大事にし「楽しく」「楽しめる」活動を継続しています。 団体概要

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